インプラントサイト|歯科クリニック

インプラントサイト制作事例アイキャッチ

インプラント専用サイトを制作しているはずなのに、気づけばそのサイトの中に「インプラントをしないための選択肢」を一緒につくっていた。

本プロジェクトの依頼者である歯科医院院長が参加したあるセミナーをきっかけに、制作の途中でサイトの方向性が大きく広がっていきました。多忙な院長とのコミュニケーション、制作スケジュールの調整、ユーザー目線を第一に考えての追加ページ……。
いくつもの壁を越えながら、6ヶ月をかけて完成したインプラント専門サイトの舞台裏を、代表兼PMの渡邉ディレクターの田﨑が振り返ります。

目次

プロジェクト概要

クライアント歯科医院
サイト種別インプラント専門サイト
制作期間2025年7月〜2026年1月(約6ヶ月)
担当範囲・企画、情報設計
・ディレクション
・デザイン
・WordPress構築
・ライティング
・動画編集
制作体制PM:渡邉 / 廣川
ディレクター:田﨑
デザイナー・構築:齋田
ライター:坂口
サイトURLhttps://418dental-abe.com/implant/

お客さまインタビュー

きっかけは、矯正サイトでの実績からのご依頼

渡邉(PM)

もともと、院長ご自身でインプラント専門サイトをつくられていたんです。ただ、いつのまにかアクセスもできない状態になってしまっていて。そこからのご依頼でした。

TENSENでは以前から、同クリニックの矯正専門サイトの制作・運用を担わせていただいていました。その実績があったからこそ、今回もお声がけいただけたと思っています。コンペではなく、継続してご一緒させていただいているパートナーとしての関係性です。

依頼のタイミングとして重なったのが、補助金の活用でした。「補助金をどこに使うかとなったとき、インプラントサイトを整えようという話になった」という形でご相談をいただきました。集客に深刻な困りごとがあったわけではなく、「いまの状態からもっと伸ばしていきたい」という温度感で始まったプロジェクトでした。

クリニックとして打ち出したい軸は最初から明確で、矯正とインプラントでした。この2本柱をしっかりと訴求する一つの手段として、インプラントサイトを設計することが、最初のミッションでした。

代表兼PMの渡邊の写真
代表兼PMの渡邊

制作途中に生まれた「抜歯前の選択肢ページ」——院長の理念が動かした設計変更

渡邉(PM)

もともとの計画には、なかったページです。「抜歯前の選択肢」の関連ページは、制作の途中から生まれました。

プロジェクト開始後に、院長は参加するのが難しいとされる専門家向けのセミナーに参加されまして。そこで院長は、ご自身の中にずっとあった想いを、改めて振り返る機会になったようです。

インプラントというのは、本来、歯を失ったときの最終手段です。院長は「患者さんにはできる限り自分の歯を大切にしてほしい」という想いをお持ちでした。そのセミナーを通じて、その気持ちをもう一度再認識されたとおっしゃっていて。

そこからサイトに新しいページを追加できないかというご相談をいただきました。そこで弊社では、インプラントを最初からお勧めするサイト構成ではなく、抜歯前の選択肢を紹介するページを新たに追加ご提案し、『抜く』ことは最後の選択肢として訴求してはどうか、というご提案をさせていただきました。インプラントの前に、まだできることがある——そのメッセージを届けるためのサイトページ構成です。

「抜く」のは最後の選択肢
Webサイトトップページの一部

田﨑(ディレクター)

「抜歯前の選択肢」のページは、インプラント治療を目的に検索してやってきたユーザーに、「実は抜かなくていい選択肢があるかもしれない」と伝えるページです。インプラントサイトとしては逆説的にも聞こえるかもしれないんですが、それこそが先生の理念を体現したサイトだと思っています。

抜歯前の選択肢ページについては、「虫歯編」「歯周病編」のカテゴリ分けをし、2ページ追加し、TOPページからの導線設計などサイト全体の構成に対して調整を加えました。「歯周病編」ページは、LP型の縦長レイアウトで制作しました。検索ボリュームの大きいインプラントを入り口にしながら、そこからブルーラジカルや歯周外科治療のページへ誘導していく設計です。

このページは特に力を入れて作り込みました。ライターの坂口さんも加わって丁寧にヒアリングシートを作成し、院長とのミーティングもこのページ制作のために別途設けました。先生の「歯を守りたい」という想いを言葉でどう表現するか——そこにかなり頭を使いましたね。

ワイヤーフレーム_インプラントサイト
制作中のワイヤーフレーム
当初予定になかったページを追加
社内連絡ツールSlackで当初予定になかったページを議論
追加で作成したヒアリングシートの一部
追加で作成したヒアリングシートの一部
追加で作成したヒアリングシートの一部
追加で作成したヒアリングシートの一部

「メッセージできる時間が限られている」——多忙な院長とどう進めたか

田﨑(ディレクター)

今回のプロジェクトで、クライアントとのコミュニケーションが一番の課題だったと思います。

院長はとにかくお忙しい方で、ご返信いただけるのが早くて数日後、1週間後になることもありました。「確認事項がありメッセージを送っても返ってこない」という状態で進めなければいけないことが多かったです。

だからこそ意識したのが、1回のやりとりで制作が進められるようなコミュニケーションをすること。曖昧な状態でお伺いを立てるのではなく、「AとBどちらがよいですか」という形で、選択肢を絞り込んでお伝えするようにしていました。

チーム内のやりとりも工夫をしました。デザイナーの齋田さんとリアルタイムに話し合えるとは限らないので、画面収録を活用した非同期コミュニケーションをよく使っていました。修正内容を5分以内の動画にまとめて送るんです。文章で伝えようとするとだらだらと長くなってしまうところも、動画ならニュアンスも含めて一発で伝わる。特に「ここをこういう風にしてほしい」というデザインの修正指示は、テキストより動画の方が圧倒的に早いです。

社内Slackでの非同期型のコミュニケション
社内Slackでの非同期型のコミュニケション
社内Slackでの非同期型のコミュニケション
社内Slackでの非同期型のコミュニケション

渡邉(PM)

結果として公開は当初の予定より遅くなりましたが、最終的には院長にも大変喜んでいただけました。院長が「品質を優先してほしい」という姿勢でいてくださったので、チームとしても制作しやすかったです。納期を最優先にして雑なものをつくるより、少し時間がかかっても丁寧につくる方を選んでいただけた。そこはとても助かりました。

「ワイヤーでの情報共有の難しさ」——そこから得た学び

田﨑(ディレクター)

今回、自分の中で一番の反省点として残っているのが、ワイヤーフレームの確認タイミングです。

TENSENでは、基本的にワイヤーフレームは社内で完結させるものとしていました。今回はテキストも入れ込んだワイヤーをクライアントにも確認してもらうフローを試したんです。さまざまな制作フローを改善しながら模索していた時期でもありました。

これが制作を長引かせる一因になってしまいました。ある程度の詳細情報まで具体化された状態のワイヤーを見せてしまうと、「あれもこうしたい」「これもこうしたい」という情報設計の観点だけでなくでデザイン面でのご要望なども出てきてしまって。タイミングによって必要以上の情報共有は、進行を阻害する要因になりうる、といった点が今回の学びです。

渡邉(PM)

それでも最終的にちゃんと着地できたのは、先生が品質を優先してくださったからだと思います。今回の経験は、TENSENの社内チェックリストや制作フローの改善にそのままつながっています。こういった失敗も含めた振り返りを本記事や社内ナレッジとして残して、次の制作に活かしていく——そのサイクルがうまく回っていければと思っています。

案件進捗管理表
案件進捗管理表
チェックシート
制作チェックシート

ユーザーのために、1ページ1ページを磨く——情報設計へのこだわり

費用・保証ページの「無料相談」を最初に見せる理由

田﨑(ディレクター)

費用・保証のページって、どうしても金額が先に出てきがちで、見た瞬間に離脱してしまう方も多いんですよね。

今回、このページのトップに最初に置いたのが「無料相談実施中」のバナーです。院長が無料で相談を受けてくださっているので、その安心感を最初に伝えることで、心理的なハードルを下げたかったんです。

院長の「無料相談」は、診察時間外にボランティアとして設けているものです。平日18時半から、土曜は17時から。診察の予約とは別に、第三者としてアドバイスだけをする場として開いてくださっています。費用のことを調べにきたユーザーに、「まずは無料で話を聞けます」というメッセージを前に出せたのは、クリニックらしさを体現したサイトになったと思っています。

ページトップの無料相談への導線
ページトップの無料相談への導線

院長紹介ページの「なぜここで開院したのか」を加えた理由

田﨑(ディレクター)

院長紹介ページに、最初の設計にはなかったセクションを追加しました。「なぜここの地域に開院したのか」という、院長の地域への想いを語るコーナーです。

もともとのページは、経歴と院長の考え方についての記述だけで、コンテンツとして少し薄い印象がありました。渡邉さんから「先生はずっとこの地域で育ってきた方なんだよね」と聞いて、それなら地域への想いをきちんと形にしようと。

ずっとその地域に根ざしてきたクリニックだからこそ、地域への愛着を患者さんに伝えることが差別化にも安心感にもつながると思いました。この地域の方が読んだとき、「同じ地元の先生だ」という共通点として共感してもらえる。歯科医師になってここで還元したいという先生の想いが、信頼感に直結するはずだと判断して、追加しました。

なぜここで開院したのか
追加したなぜここで開院したのかセクション

動画素材の整理と加工

渡邉(PM)

先生がインプラント以外にも、歯周病の進行や虫歯の治療、精密根管治療などのアニメーション動画を豊富にお持ちで、それらを整理してコンテンツに活かしています。先生から提供素材を惜しみなくいただけたことで、コンテンツとしてかなり充実した仕上がりになりました。
いただいた動画素材はそのままではユーザーから理解されづらいものもあったので、田﨑さんに解説テキストを動画内に入れていただくなど、加工してサイトに合った形にしています。

動画素材の整理と加工
動画素材の整理と加工

先進性と誠実さを、色とフォントで表現する——デザインの思考

カラーとフォント選び

田﨑(ディレクター)

院長からのカラーリクエストは「ネイビー、抹茶色、くすみがかったピンクが好みです」というものでした。ただ、この3色をそのまま並べてしまうと、どうしてもごちゃついて見えてしまいます。

デザイナーの齋田さんと相談しながら決めたのが、メインカラーをネイビーに絞り、抹茶色とくすみピンクはアクセントとして使うこと。さらに、一画面で3色以内に収まるようにコントロールする方針を立てました。CTAボタンにはネイビーの補色にあたるイエロー系を採用しています。補色なので目に留まりやすく、アクションを促しやすいんですよね。

フォントは、見出しに明朝体、本文にゴシック体の組み合わせにしました。明朝体の誠実さと、ゴシック体の読みやすさを両立させたかったんです。ロゴに合わせて丸ゴシック体も検討したんですが、親近感はあっても先進性に欠けると判断して、明朝体を採用しました。写真は大きく使い、文字間や余白を広めにとることで、清潔感と先進性を感じさせるビジュアルを目指しています。

デザイン制作過程
デザイン制作過程

「デザインの意図」を文章で添える文化

渡邉(PM)

TENSENでは、トップページのデザインを提出するときに、「なぜこのデザインにしたのか」を説明するテキストを一緒に共有するようにしています。

クライアントさんって、どこまで私たちが考えてつくっているのか、正直わからないじゃないですか。そこを見える化してお伝えすることで、クライアントさんも「こういう意図があってこのデザインなのか」と納得していただきやすくなります。すると自然と「プロの判断を信頼しよう」という気持ちになっていただけることも多くて、結果的に修正が減るんです。お互いにとってスムーズに進む、大事なコミュニケーションだと思っています。

「デザインの意図」を文章で添える文化
「デザインの意図」を文章で添える

WordPressの制約を超える——技術的なこだわり

田﨑(ディレクター)

TENSENでは基本的にWordPressのテーマ「Swell」を推奨(制作効率化やブログ機能などSEOの標準機能が高いため)しているのですが、今回のトップページはSwell非依存の静的HTMLで構築しています。Swellだけだと、このサイトのようにデザインをしっかり作り込もうとすると実現が難しい部分がありました。トップページだけ静的HTMLで一から作ることで、デザインの自由度を確保しています。

症例投稿の仕組みは、カスタムフィールドを使ったオリジナルの投稿フォームにしています。院長ご自身が症例を追加・更新できるように、使いやすい形で設計・構築しました。納品時には更新マニュアルもお渡しして、先生がご自身でサイトを育てていけるようにしています。

お問い合わせフォームは、Contact Form 7を使っているのですが、標準状態では「確認画面」「送信完了画面」がありません。送信できたかどうかわからないとユーザーが不安になるので、コードを追加して「確認画面」「送信完了画面」両方の画面を実装しました。

動画はYouTubeにアップロードしていただき、そこからリンクを引っ張る形でサイトに表示させています。動画の本数がかなり多いため、WordPressに直接入れると読み込み速度が大幅に遅くなってしまうんです。動画コンテンツの豊富さとサイトのパフォーマンス、どちらも両立するための工夫です。

投稿編集画面
院長ご自身が症例を追加・更新できるような設計
フォーム送信内容確認
フォームの送信内容確認ページ

公開直後から検索1ページ目へ——これからの展望

渡邉(PM)

公開からまだ日が浅いので、問い合わせ件数などの具体的な数値はまだ出てきていません。ただ、SEOの面ではすでに手応えを感じています。

「足利市インプラント」で検索すると、インプラントのページが1ページ目に出てきているんです。ただ現時点では、総合サイト側にあるインプラントページが評価されている状態です。今後、本サイト側のリニューアルに合わせて301リダイレクトをかければ、今回の専門サイトにその評価が引き継がれて、さらに順位が上がってくると見ています。

先生の反応としては、サイトを気に入ってくださっているようで、院長へのインタビュー動画の撮影も行いました。

クライアントからの声:歯科クリニック 院長様

制作プロセスの裏側で、クライアントである院長はどのように感じていたのか。完成したサイトへの評価と、TENSENとのプロジェクト推進についてお話を伺いました。

インタビュー
インタビューの様子1
インタビュー
インタビューの様子2

「忙しい院長」に寄り添った、提案型の制作フロー

歯科クリニック院長 阿部様

本業の診療がある中で、ホームページのテキストをゼロから作るのは正直不可能です。

TENSENさんの素晴らしい点は、こちらの断片的な要望から「こういうことが書きたいんだろうな」という意図を深く汲み取り、しっかりとした叩き台を作ってくださるところです。過去に依頼した会社様では、原稿の執筆を丸投げされることもありましたが、TENSENさんはSEOを意識したボリュームのあるテキストをプロの視点で用意してくれます。

また、単に「言われた通りに作る」のではなく、ユーザー目線での導線設計を提案してくれるのも心強かったです。私が「すべての予約窓口を並べたい」と言った際も、集客のプロとして「患者さんが迷わないための最適なルート」を論理的に示してくれました。

動画に字幕を入れるなどの細かな配慮や、チャットとZoomを使い分けたストレスのないやり取り、そして何よりマーケティング全般を一括で管理してもらえる安心感。制作過程を通じて、単なる制作会社ではなく、共に医院を良くしていく『パートナー企業』だと確信しました。

おわりに——TENSENが大切にするものづくり

渡邉(PM)

6ヶ月というプロジェクトを振り返ってみると、「品質を高める」ということに一番エネルギーを使っていた気がします。納期が延びても、追加の要望が重なっても、「とりあえず完成させる」という選択はしませんでした。院長の「歯を守りたい」という理念を形にするために、ページの言葉一つひとつ、デザインの細部まで向き合い続けたプロジェクトでした。

田﨑(ディレクター)

今回のプロジェクトで学んだこと——ワイヤーフレームの確認タイミング、修正ルールの運用、チームでUIを磨くプロセス——は、すでに次の案件に活かしています。つくり終えたら終わりではなく、そこから学んで次に活かしていく。それがTENSENとしてのものづくりの在り方だと、あらためて感じています。

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