
美容クリニックのSNS集客は「使い分け」がカギ!予約を増やす運用戦略と注意点を徹底解説

スマートフォンの普及により、患者様が美容医療の情報に触れる手段は劇的に変化しました。
かつては検索エンジン一択でしたが、現在はInstagramやTikTokなどのSNSが「検索ツール」として定着しています。
こうした背景から、美容クリニックの経営においてSNS集客はもはや選択肢の一つではなく、必須の経営課題となりました。
しかし、「毎日投稿しているのに予約が入らない」「どの媒体に力を入れるべきかわからない」と頭を抱える院長様や担当者様も少なくありません。
本記事では、各SNSの特徴を活かした使い分けから、フォロワーを実際の患者様に変えるための具体的なステップ、そして美容医療ならではの「医療広告ガイドライン」への対策まで、集患に直結する運用ノウハウを徹底解説します。

この記事の監修者
株式会社TENSEN 代表取締役 渡邉 暁登
~点と点をつないで、確かな価値を。~
積水ハウス、IT企業を経て独立。
問い合わせ数が最大40倍、年間でも10倍という圧倒的な集客実績を誇る。
アフィリエイトで培った高度なSEO(検索対策)知識を活かし、美容クリニック等の中小企業・店舗ビジネスの集客に特化したWeb戦略を提供。
美容クリニックの集客にSNSが不可欠である3つの理由

ホームページやポータルサイトだけでなく、なぜ今、SNS運用にリソースを割く必要があるのでしょうか。
そこには、患者様の行動心理の大きな変化が関係しています。
検索行動が「ググる」から「SNS検索(ソーシャルサーチ)」へ変化
特に今、Z世代からミレニアル世代にかけて飲食店やクリニックを探す際にGoogle検索よりも先に、InstagramやTikTokなどのSNS内の検索窓で情報を探すソーシャルサーチが定着してきています。
かつては「ハッシュタグ検索=タグる」が主流でしたが、現在はInstagramのアルゴリズム進化により、ハッシュタグに頼らずとも、検索窓に「二重整形 おすすめ」「鼻整形 経過」といったキーワードを入力して検索する行動が一般的です。
ここについて、Instagram責任者のアダム・モセリ氏も「ハッシュタグはリーチを増やすための主要な手段ではない」と明言しており、現在はキャプション(本文)内の言葉をAIが解析して検索結果に反映させています。
【参考記事】


そのため、大量のハッシュタグを並べるよりも、ユーザーが検索しそうなキーワードを自然な文章でプロフィールや投稿文に盛り込むことが、見込み客に見つけてもらうための鍵となります。
症例写真や動画による視覚的情報が意思決定を左右する
美容医療は結果が目に見えるサービスです。
「どのくらい綺麗になれるのか」「ダウンタイムの腫れはどの程度か」という患者様の不安を解消するには、テキストよりも画像や動画が圧倒的な説得力を持ちます。
ビジュアル訴求に特化したSNSは、言ってしまえば美容クリニックのカタログとして最適なツールなのです。
広告よりもリアルな口コミや医師の人柄が信頼される
Web広告は「売り込みっぽい」と感じて敬遠するユーザーも、SNS上の投稿やストーリーズから垣間見える医師の人柄、スタッフの雰囲気、そして実際の患者様の声(UGC)には信頼を寄せます。
SNSは“権威性”よりも“親近感・信頼感”を醸成する場として機能し、来院のハードルを大きく下げることができます。
物語やドラマを観るかのように惹き付けられれば、なお親近感が持てるのです。
【媒体別】美容クリニックにおすすめのSNSと役割の使い分け

「流行っているからどのSNSも全部やる」というのはリソースの無駄遣いです。
各SNSの特性を理解し、自院のターゲットや目的に合わせて使い分けることが重要です。
Instagram|世界観の構築と症例カタログとして必須
インスタグラムは美容クリニックにとって最も重要なプラットフォームです。
美しい症例写真や、整ったフィード投稿はブランディングに直結します。
保存機能があるため、役に立つ美容情報を発信することで見込み客にブックマーク(保存)され、検討リストに入れてもらいやすくなります。
ブクマ機能の普段使用を美容室を例に挙げると、仕上がりや色味の気に入った投稿を保存し、サロンに持参して美容師に見せるための自分オリジナルのヘアカタログ作りをしているユーザーが多いのです。これを美容クリニックでも展開させることが目的です。
TikTok|新規層への認知拡大と動画による親近感
TikTokはフォロワーがいなくても、コンテンツが面白ければ爆発的に拡散(バズる)されるアルゴリズムを持っています。
10代〜20代だけでなく、最近は30代以上のユーザーも増えています。
施術中の動画や、医師が質問に答える動画など、動的なコンテンツで認知を広げるのに最適です。
X(旧Twitter)|リアルタイムな情報発信と口コミ拡散
匿名性が高く、ユーザーの本音(リアルな口コミ)が集まる場所です。
モニター募集やキャンセル枠の告知など、即時性が求められる情報の発信に向いています。また、リポスト機能による拡散力が強いため、キャンペーン情報などを広める際にも有効です。
LINE公式アカウント|リピーター育成と予約の最終クロージング
LINEは新規集客よりも、既存患者の囲い込み(CRM)や予約の確定に威力を発揮します。
SNSで興味を持ったユーザーをLINEへ誘導し、クーポン配布や個別のチャット相談を行うことで、来院予約へのコンバージョン率(CVR)を高めることができます。
YouTube|深い信頼関係の構築と動くカタログ
TikTokやInstagramリールなどのショート動画が認知の入り口なら、YouTubeは教育・説得(クロージング)のメディアです。
美容整形は高額かつ身体への侵襲(ダメージ)を伴うため、患者様は失敗したくない…という強い不安を抱えています。
ショート動画の短い尺では伝えきれない手術のメカニズム、リスク、ダウンタイムのリアルな経過などを10分以上の動画で丁寧に解説することで、その不安を払拭できます。
また、医師が自身の言葉で語る姿は、「この先生なら任せられる!」という強い信頼感(E-E-A-T)に繋がります。
YouTubeを見て来院する患者様はすでに医師のファンになっていることが多く、カウンセリングからの成約率が非常に高いのが特徴です。
ここ数年のアルゴリズムでは、Googleの検索結果に動画が表示されやすいというメリットもあります。
患者さんに『あのクリニック、素敵だよね🌟』と口コミで言われたい…
フォロワーを患者に変える!SNS集客を成功させる5つのステップ

フォロワー数=来院数ではありません。
数千人のフォロワーがいても予約がゼロのクリニックもあれば、数百人でも予約が絶えないクリニックもあります。
その違いはなんでしょうか?丁寧に解説していきます。
①ターゲット(ペルソナ)と自院の強みを明確にする
「誰に」「何を」伝えるかを決めます。
「30代の働く女性に、バレにくい二重術を」「40代の主婦に、切らないたるみ治療を」など、ターゲットを絞り込むことで、発信内容に軸が生まれます。ペルソナと強みを見える化し、掛け合わせて考えましょう。
②プロフィールとハイライトで予約への導線を整備する
プロフィール欄はSNS上の玄関です。
クリニックの場所、専門分野を一目でわかるように記載し、リットリンク(Lit.link)などを活用して「Web予約」「公式LINE」「症例ページ」へスムーズに移動できるURLを設置しましょう。
Instagramのハイライトには「料金表」「Q&A」「アクセス」をまとめておくと親切です。
数ヶ月前にInstagram公式の設計により、ハイライトの撤廃が行われました。ハイライトは位置を移動しましたが、その後ユーザーの声を反映し、再度ハイライトをプロフィール下に設置しています。
SNSそれぞれのアップデートに耐えうる設計を心掛けましょう。
③お役立ち情報と人間味(スタッフの顔)をバランスよく投稿
宣伝ばかりのアカウントはフォローされません。
ユーザーの悩みを解決する豆知識や美容コラムを7割、キャンペーンなどの宣伝を3割程度に抑えます。実際に運営し、ユーザー(フォロワー)の反応を見つつ割合を整えていきます。
また、医師やスタッフの顔出しや日常の様子を投稿することで、安心感と親近感をグッと与えられます。
④ショート動画(リール・TikTok)で発見タブへの露出を狙う
現在は静止画よりもショート動画の方が、新規ユーザーの目に留まりやすい傾向にあると言われています。「施術の流れ」や「ビフォーアフターの変化」などを15秒〜60秒程度の動画にまとめ、音楽に合わせてテンポよく編集することで、発見タブ(おすすめ)への掲載を狙いましょう。
最初の3秒でパッと目を引く事ができるかが、視聴時間を伸ばす鍵となります。
⑤DMやコメントへの返信でエンゲージメント(ファン度)を高める
SNSは一方的な発信ツールではなく、コミュニケーションツールです。
コメントやDMには丁寧に返信しましょう。
この地道なやり取りがユーザーとの信頼関係(エンゲージメント)を築き、「この先生にお願いしたい」という指名来院につながります。
DMでの交流は、アカウント強化に繋がる指標の一つでもあるのです。
美容クリニックがSNS運用で犯しやすい失敗と注意点

美容医療はYMYL(Your Money or Your Life)に含まれるため、一般的な業種よりも慎重な運用が求められます。
特に以下の3点には注意が必要です。
医療広告ガイドラインの違反
2018年の医療法改正により、Webサイト同様、SNSも医療広告ガイドラインの規制対象となりました。
例えば、ビフォーアフター写真を掲載する場合、「術前術後の比較」だけではNGです。
施術名、費用、治療期間・回数、リスク・副作用を具体的に併記する義務があります。
「日本一」「最高」といった比較優良広告や、虚偽・誇大広告も厳しく禁止されています。
スタッフへの運用丸投げによるブランド毀損と炎上
「若いスタッフならSNSに詳しいだろう」と運用を丸投げするのは危険です。
プライベート感覚で不適切な投稿をして炎上したり、退職時にアカウントのパスワードがわからなくなったりするトラブルが後を絶ちません。運用マニュアルを作成し、投稿内容は必ず責任者がチェックする体制を整えましょう。
映えばかり気にして悩み解決がおろそかになる
おしゃれな写真を並べるだけでは、患者様は動きません。
ユーザーが求めているのは「自分のコンプレックスがどう解消されるか」という解決策です。デザイン性も大切ですが、それ以上に、“情報のわかりやすさや専門性”を重視したコンテンツ作りを心がけてください。
美容クリニックの集客UPに繋がるホームページ制作だったら…
美容クリニックのSNS運用で参考になる事例2選
ここでは、美容クリニックの運営するSNSで参考になるアカウントを2つ紹介します。
TCB東京中央美容外科天王寺院院長のInstagram
このアカウントは、Instagram SEOとアルゴリズム対策のお手本と言えます。
まず、名前やプロフィールに「二重整形」「クマ取り」等のビッグワードを配置し、検索流入(ソーシャルサーチ)を確実に狙っています。
さらに、リール動画で「術直後のリアルな変化」を見せることでユーザーの滞在時間を延ばし、発見タブへの露出を強化している点も非常に戦略的であり、参考にすべき運用事例です。
【糸リフト/クマ取り】TCB 天王寺院院長 山口征大 大阪|Instagram
湘南美容クリニック 赤尾健 ゾーン統括ドクター/池袋東口院院長のX
X(旧Twitter)の特性である、リアルタイム性と本音を最大限に活用した事例です。
作り込まれた画像よりも、医師の人間味や施術のリアルな経過をテキスト主体で発信することで、ユーザーの信頼(E-E-A-T)を獲得しています。
また、質問箱やリプライへのマメな返信によりエンゲージメントを高め、結果として指名検索や口コミ拡散のループを強力に生み出している点が秀逸です。
二重整形/埋没法 湘南美容クリニック 赤尾健 ゾーン統括ドクター/池袋東口院院長|X
SNS集客の効果を最大化するためにやるべきこと
SNS運用が軌道に乗ってきたら、他の施策と掛け合わせて相乗効果を狙いましょう。
SNS広告(ターゲティング広告)との併用
オーガニック投稿(通常の投稿)はフォロワーにしか届きにくいですが、SNS広告を使えば、エリアや年齢、興味関心で絞り込んだ潜在層にアプローチできます。
質の高い投稿を広告として配信することで、効率よくフォロワーと予約を獲得できます。
インフルエンサー・アンバサダーマーケティングの活用
美容感度の高いインフルエンサーに施術を体験してもらい、その感想を投稿してもらう手法です。
第三者目線でのレビューは広告臭が薄く、フォロワーへの影響力が絶大です。
ただし、ステマ規制(ステルスマーケティング規制)に抵触しないよう、「#PR」等の表記を徹底する必要があります。インフルエンサーやアンバサダーの教育管理も必要でしょう。
Googleマップ(MEO)や自院サイトとの連携強化
SNSを見たユーザーは、最終的に場所や口コミを確認するためにGoogleマップを開きます。
GoogleビジネスプロフィールにもSNSと同じ症例写真を投稿し、情報の整合性を取っておきましょう。また、公式サイトにInstagramのフィードを埋め込むことで、サイト訪問者の滞在時間を延ばす効果も期待できます。
SNSも大事だが土台となるHPが一番大事です

美容クリニックのSNS集客は、一朝一夕で成果が出るものではありません。
しかし、正しいターゲット設定と医療広告ガイドラインを遵守した運用を継続すれば、広告費をかけずともファンが集まる強力な資産となります。
大切なのは、各媒体の特性を理解して使い分けることと、そして何より画面の向こうにいる患者様の悩みに寄り添うことです。
まずは自院が得意とする施術や世界観を見直し、できるところから情報発信をスタートさせてみてください。
SNS集客はいまややらない手は無い媒体ではありますが、それでもプラットフォームに依存している状態には変わりはありません。最終的にはじっくりと自院を理解してもらうためにもHPを持ち、シッカリと管理運営することが重要です。
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